甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病など)

内分泌代謝領域の専門医による治療

甲状腺は首の前面(のど仏の下)にある臓器で、甲状腺の異常は大きく以下の様に分けられます。
① 甲状腺中毒症→甲状腺ホルモンの作用が増えてしまう病気
バセドウ病、無痛性・亜急性甲状腺炎、妊娠に伴う甲状腺機能亢進症、プランマー病など
症状:
・動悸、息切れ、疲れやすくなった、汗をかきやすくなった、手がふるえるようになった(手指振戦)、甲状腺の腫大(首の前が腫れてきた)、食事が食べているが体重が減ってきた、むくみ、眼球が出てきた気がする、首の前が痛むなどの症状があります

薬物治療が基本ですが、手術が必要となる場合もあります。


② 甲状腺機能低下症→甲状腺ホルモンが低下してしまう病気
慢性甲状腺炎(橋本病)、甲状腺炎後、術後の甲状腺機能低下など

症状:甲状腺の腫大(首の腫れ)、全身倦怠感・易疲労感、元気がなくなった、むくみ、声がかすれる、寒がりになった、体重が増えた、脱毛、記憶力が低下した、便秘、月経異常、心不全などがあります。

治療としては甲状腺ホルモンの内服による補充が必要になります。


③ 腫瘍性病変→良性の甲状腺腫瘤、甲状腺癌
首が腫れているなどがあれば相談してください。良性の病変であることが多いですが、癌の可能性もあります。生検・手術が必要な場合には適切な病院に紹介させていただきます。


④甲状腺と妊娠
妊娠一過性甲状腺機能亢進症では吐き気・嘔吐といったつわりの症状が強い場合があります。基本的には妊娠初期に発症し、妊娠中期には自然に改善するため、治療不要なことが多いですが、バセドウ病などの可能性は否定できないため検査での除外が推奨されます
そして妊娠の後期から産後1年は甲状腺炎が起こりやすくなっているため、動悸・疲れやすさ、汗をたくさんかくなどの症状が出ることがあります。治療が必要なる場合がありますのでご相談ください。

また、甲状腺ホルモンの不足は月経異常や不妊などの原因にもなり、妊娠中は甲状腺ホルモンの必要量が増えます。そのため、元々甲状腺ホルモンの治療を行っている方で妊娠した場合や、月経異常・不妊の原因として甲状腺の影響が考えられる場合には一度ご相談ください。